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シフト調整の進め方|変更案の比較・相談・確定と調整管理表の記入例

シフト調整の進め方。調整事項の洗い出しから変更案の比較、相談、確定までの手順ガイド。

シフト調整は、**「原因の整理 → 変更案 → 影響確認 → 本人回答 → 確定判断」**の順に進めます。希望と必要配置が合わない、勤務時間が偏る、変更依頼や欠勤が出たときも、まず問題を特定し、変更先・変更元・本人の勤務条件を確認してから確定しましょう。

シフト調整の記録に使える調整管理表をExcelでダウンロードできます。問題・変更案・影響・本人回答・確定可否を一続きで記録する様式で、記入例と使い方のシートを同梱しています。自動集計や自動判定は行いません。担当者が確認した内容と判断を残すための表です。

対象は、すでに勤務案を持っている管理者・シフト作成担当者です。回収済みのシフト希望と勤務条件、必要人数・役割・時間帯の要件を使い、確定できる変更と未解決の事項を分ける手順を解説します。末尾には、手元の勤務案に置き換えて使える調整管理表の記入例を用意しました。

以下の人物・勤務条件・配置・回答は、手順を説明するための架空例です。法令・製品に関する情報は2026-09-18時点のものです。

調整が必要な箇所を洗い出す

最初に、現在の勤務案を保存し、何を基準に調整するかを固定します。作業中の表を直接書き換えるのではなく、元の勤務案と変更案を分けてください。調整対象が確定前の案なのか、すでに従業員へ通知した確定シフトなのかも記録します。

手元にそろえる情報は、次の3点です。

  • 提出済みのシフト希望と勤務条件:勤務できる日時、休みの希望、相談できる時間帯、契約上の勤務日数・時間など。
  • 必要配置の要件:時間帯ごとの必要人数、そのうち何人がどの役割を担う必要があるか。
  • 調整が生じた原因:希望の偏り、割り当ての偏り、本人からの変更依頼、欠勤など。

そのうえで、勤務案を次の3つの観点から見直します。

第一に、不足する時間帯と役割です。 「夕方に人が足りない」ではなく、「10月10日16〜20時、売場は必要3人に対して2人」と書き出します。さらに、閉店作業を担当できる人が必要なら、その役割を満たす人が残っているかを別に確認してください。総人数が足りていても、必要な業務を担当できなければ調整は残ります。

第二に、勤務時間や負担の偏りです。 従業員ごとの週・月の予定勤務時間、出勤日数、遅い時間帯や休日の担当回数を並べます。ただし、全員を同じ時間数にそろえるのではなく、それぞれの契約や希望と比較しましょう。勤務時間を減らしたい人と増やしたい人では、調整の方向が異なります。

第三に、本人条件との不一致です。 提出内容が「17時まで勤務可」なのに18時まで割り当てている、勤務できない曜日に出勤を入れている、といった箇所を探します。「勤務不可」と「できれば休みたい」を同じ扱いにせず、内容が不明なら本人への確認事項として残してください。

調整事項には番号を付け、日付・時間帯・役割・不足数を記入します。同じ日の問題でも、昼の人数不足と夜の担当者不足は別の行にすると、どちらを解決したのか追えます。

不足する時間帯と役割を洗い出す図。必要人数に対する不足を時間帯ごとに示す。

図:不足を「夕方に人が足りない」ではなく、時間帯と役割まで特定して書き出します。上の帯が時間帯、下の人型が配置人数です。必要人数に届かない時間帯を見つけ、さらにその時間帯に必要な役割を担当できる人が残っているかを別に確認します。

変更できる範囲を先に確認する

不足が分かっても、すぐに空いている人へ依頼するのは避けましょう。先に、各スタッフについて「そのまま候補にできる範囲」「本人への相談が必要な範囲」「条件確認が終わるまで候補にできない範囲」を分けます。

確認する資料は、労働条件通知書・雇用契約書、就業規則、提出済みの希望、担当できる業務の一覧、前後の日を含む勤務表です。パートやアルバイトという区分だけで判断せず、個人ごとの条件を照合してください。

例えば「火曜日は勤務不可」と確認できている人を、連絡が取りやすいという理由で候補に入れないようにします。一方、「火曜日の夕方は相談可」であれば、具体的な時刻を示して確認する候補です。元の回答を管理者の判断で「勤務可」に書き換えてはいけません。

労働時間は、原則として1日8時間、1週間40時間以内とされています。(厚生労働省)

また、法定休憩は、労働時間が6時間を超える場合に45分以上、8時間を超える場合に1時間以上を、勤務の途中に与える必要があります。(厚生労働省)

変更案では、この基本に加えて、自職場の労働時間制度、36協定、休日の配置、連続勤務に関するルールを確認します。変形労働時間制などの適用や勤務変更の扱いに迷う場合は、担当者だけで判断せず、労務担当者へ確認してください。

特に、次の点は変更案を作る前に整理しておきます。

確認する範囲調整前に決めておくこと
勤務できる日時出勤可能日、始業・終業の限界、相談できる時間帯
勤務日数・時間契約上の条件、本人の希望、変更後に増減する時間
担当できる業務単独で担当できるか、補助や引き継ぎが必要か
前後の勤務休日、連続勤務、退勤から次の出勤までの間隔
調整の手続誰が相談し、誰が承認し、いつまでに回答を確認するか

必要人数や法令上の条件は、空欄を埋めるために担当者の判断だけで緩めないことが前提です。判断材料が不足している人は「条件確認中」とし、配置できる人数にはまだ数えません。

変更案を複数作り、影響を比べる

変更案は、可能なら異なる方法で2〜3案作成します。候補者の名前だけを変えるのではなく、勤務時間帯の移動、勤務の追加、複数人による分担などを比較してください。

架空の店舗で、10月10日16〜20時の売場に欠勤が出たとします。必要人数は3人ですが、残る配置は2人です。必要な閉店担当者1人は、その2人の中に含まれています。

この不足に対し、次の案を考えます。

  • Aさんの勤務を12〜16時から16〜20時へ移す。
  • 当日に勤務を入れていないBさんへ、16〜20時の追加勤務を相談する。
  • 同じく勤務を入れていないCさんへ相談し、対応できる時間帯を確認する。

比較のポイントは、変更先だけでなく、変更元と本人の勤務時間まで見ることです。

Aさんを移せば、16〜20時は3人になります。しかし、12〜16時も必要3人に対して配置3人だった場合、移動後は2人です。夕方の不足を昼へ移しただけなので、この案を単独では採用できません。勤務時間が増えていなくても、移動元の配置条件を崩す案は除外します。

Bさんを追加する案なら移動元の不足はありません。ただし、休日の配置や前後の勤務、本人の勤務時間を確認する必要があります。この例で週の予定勤務時間が16時間なら、4時間の追加後は20時間です。契約上の条件と照合し、本人の回答を得るまでは候補にとどめます。

変更の影響は、次の順に書き出すと整理できます。

  1. 変更先:不足する時間帯・役割をどこまで埋められるか。
  2. 変更元:移動や交代によって、新たな不足が生じないか。
  3. 本人:日・週・月の勤務時間、出勤日数、休憩、前後の勤務がどう変わるか。
  4. 周囲:別の人の担当変更や引き継ぎ、追加の相談が必要になるか。

勤務時間を延ばすときは、始業から終業までの長さだけで比較しないでください。休憩を除いた予定実働時間は、日をまたがない場合、次の式で確認できます。

予定実働時間=終業時刻-始業時刻-予定休憩時間 別の架空例として、9〜15時・休憩なしの6時間勤務を、9〜17時・休憩45分へ変更すると、変更後は7時間15分です。終業は2時間遅くなりますが、実働の増加は1時間15分になります。休憩を取る45分間についても、残るスタッフで必要配置を満たせるか確認しましょう。

条件を整理して案を作る作業には、シフトラの、自然な日本語で入力したルールや希望をもとにAIがシフト案を生成する機能も利用できます。(シフトラ)

ただし、生成されるのは割り当ての案です。本人への相談、変更元への影響確認、法令・契約条件との照合、最終確定は担当者に残ります。手作業で作った案と同じ基準で確認してください。

変更案の影響を比べる図。移動先だけでなく移動元の不足も確認する。

図:変更案は、移動先だけでなく移動元も確認します。左の表から右の表へ人を移すと右は埋まりますが、左には空き(破線)が残ります。この記事の例では、Aさんを12〜16時から16〜20時へ移す案が、16〜20時を充足させる一方で12〜16時を必要3人に対して2人にするため、採用不可になります。

本人へ確認する範囲と、回答の扱いを決める

本人への相談では、「少し時間を変えられますか」だけではなく、変更前後の日時・場所・担当業務・休憩・勤務時間の増減を具体的に伝えます。交換案なら、一方の承諾だけで進めず、勤務が変わる双方へ確認しましょう。

厚生労働省のシフト制に関する留意事項では、一度確定した労働日・労働時間などの変更は基本的に労働条件の変更に当たり、使用者と労働者双方が合意したうえで行うよう示されています。(厚生労働省)

確定前の勤務案を相談する場合も、元のシフト希望と今回の変更案を区別して記録します。過去に同じ時間帯で働いたことがあっても、今回の対応可否は改めて確認してください。

Bさんへの相談なら、例えば次のように伝えます。

10月10日の欠員対応として、16〜20時の売場勤務を追加できるか確認したいです。追加した場合、今週の予定勤務時間は16時間から20時間になります。難しい場合や一部の時間だけ対応できる場合も含め、10月8日15時までに回答をお願いします。回答を受けて配置を再確認し、確定結果をお知らせします。

回答は、次の4つに分けて記録すると、次の作業を決められます。

  • 案どおり承諾:回答内容と変更案が一致しているか確認し、確定判断へ進む。
  • 部分承諾・条件付き:対応できる日時や条件を記録し、その範囲で案を作り直す。
  • 対応不可:その案は採用せず、ほかの候補や方法へ切り替える。
  • 未回答:回答待ちとして残し、配置人数に算入しない。

例えばCさんが「18〜20時なら可能」と答えた場合、16〜20時すべてを承諾した扱いにはできません。18〜20時だけの案へ修正し、16〜18時には1人不足が残ると記録します。修正後の勤務内容を本人と確認したうえで、その部分を確定するか判断してください。

回答期限を過ぎても、無回答を承諾へ置き換えない運用にします。再連絡するのか、別の候補へ切り替えるのかを決め、次の確認時刻を残しましょう。

複数人へ同時に相談する場合は、候補を比較してから確定する旨も伝えます。返答が来るたびに確定せず、必要人数を超えて追加していないか、ほかの案との重複がないかを確認します。

休みの希望が重なる日は個別に確認する

休みの希望が同じ日に集まった場合も、最初に決めるのは「誰に変更してもらうか」ではありません。希望を反映した勤務案で、どの時間帯・役割が不足するかを確認します。終日休みの希望が重なっていても、不足が夕方の2時間だけなら、相談する範囲をその時間帯に絞れます。

ここでは、勤務表を作る際の通常の休日希望と、年次有給休暇の請求を分けて扱ってください。年次有給休暇は労働者が請求する時季に与えることが原則で、別の時季への変更が認められるのは、事業の正常な運営を妨げる場合です。(厚生労働省)

年休を通常の希望休とまとめて、先着順や交代順だけで処理する運用にはしないようにします。区分が分からない申出は本人に確認し、法的な判断が必要なものは労務担当者へ引き継いでください。

通常の希望休を相談するときは、変更できる日付・時間帯を確認し、過去に誰へ調整を依頼したかも見直します。「いつも応じてくれる人」だけに依頼を集中させず、条件が合う候補を比較するためです。共有する管理表には調整に必要な条件を記載し、私生活の詳しい事情まで広く共有しない運用にしましょう。

希望休の重なりに絞った配置例や相談の進め方は、関連記事「シフトの希望休が重なるときの調整方法|時間帯・役割の確認から相談・確定まで」で詳しく紹介しています。(シフトラ)

確定できるものと、残る不足を分けて記録する

本人の回答がそろったら、相談前に作った案ではなく、回答を反映した最新版で配置を確認します。部分承諾によって勤務時間が短くなったり、相談中に別の欠勤が出たりしていれば、比較したときの条件とは変わっているためです。

確定判断では、次の3点をそろえます。

  • 変更先と変更元の必要人数・役割を満たしている。
  • 本人の勤務条件と、休憩・休日・前後の勤務を確認している。
  • 変更内容に対応する本人の回答と、必要な管理者の承認を確認している。

配置条件が合っていても本人が未回答なら「回答待ち」です。本人が承諾していても移動元が不足するなら、その案は採用しません。確認が終わっていない条件がある場合も、確定欄に丸を付けず、何を確認すれば判断できるのかを書きます。

一部だけ確定する場合は、その変更が未解決の案に依存していないかも確認してください。例えば、AさんとBさんの交換が一組で成立する案なら、Aさん側だけを先に書き換えないようにします。一方、Cさんの18〜20時の追加が単独で成立するなら、その時間帯の変更と16〜18時の不足を分けて管理できます。

検討した案で解決しなかったことと、どのように組んでも解がないことは別です。 候補を数人確認して埋まらなかった段階では、「現時点で検討した案では、10月10日16〜18時の売場1人分が未解決」と記録します。条件を満たすすべての組み合わせを調べたわけではないのに、「調整不可能」と断定しないことが大切です。

未解決事項には、次の対応を付けます。例えば「店長が他のスタッフへ16〜18時の対応可否を確認する」「応援が確保できなければ、責任者が業務範囲の変更を判断する」とし、担当者と期限を記入してください。必要人数を黙って減らしたり、担当資格や勤務条件を無視したりして、解決済みにしないようにします。

確定した変更は、勤務表へ反映した後に対象者と現場へ共有します。「対象日・変更前後・更新日時・適用する版」を示し、古い表と新しい表のどちらを見るべきか分かる状態にしてください。シフト管理では、案の採用と勤務表への反映、周知までを別々に確認すると、途中の作業漏れを追えます。

確定できるものと残る不足を分ける図。本人回答の状態ごとに扱いを分ける。

図:同じ課題に複数の案を並べ、状態ごとに扱いを分けます。配置条件を満たしても本人の回答が未確認なら確定にせず、一部の時間帯だけ確定できる場合は残る不足を書き残します。採用しない案も理由とともに残すと、後から判断を追えます。

調整管理表の記入例

この表と同じ様式を調整管理表のExcelで配布しています。記入例と使い方のシートを同梱しているので、ここまでの手順を自分の勤務案で試すときはそちらを使ってください。

次の表は、問題・変更案・影響・本人回答・確定可否を一続きで記録するためのものです。コピーして自職場の情報を手入力できます。自動集計や自動判定を行う表ではなく、担当者が確認した内容と判断を残す様式です。

課題01は、ここまで説明した10月10日の欠員対応です。Bさん・Cさんは売場業務を担当でき、契約上の週の勤務時間は20時間以内とします。追加勤務による休日・前後の勤務への影響は確認済みという設定です。

課題02は別の架空例で、Dさん・Eさんとも契約上の勤務時間が週20〜24時間であるのに、勤務案ではDさんが24時間、Eさんが16時間になっている状況です。

何が問題か変更案影響本人回答確定可否
課題01:10月10日16〜20時、売場が必要3人に対して2人Aさんを12〜16時から16〜20時へ移動16〜20時は充足するが、12〜16時が必要3人に対して2人になる。本人の週20時間は変わらない相談前に配置条件で除外採用不可。移動元の不足が生じる
課題01:同上Bさんへ16〜20時の4時間勤務を追加不足は解消。本人の週16時間が20時間になる。移動元の不足なし未回答回答待ち。まだ勤務表へ反映しない
課題01:同上Cさんへの16〜20時の追加案を、18〜20時へ修正18〜20時は充足。16〜18時は1人不足が残る。本人の週14時間が16時間になる「18〜20時なら可」。修正案への承諾も確認済み18〜20時のみ確定可。16〜18時は未解決
課題02:Eさんの週16時間が契約上の範囲を下回る10月13日12〜16時の勤務をDさんからEさんへ変更Dさんは24→20時間、Eさんは16→20時間。同じ業務を担当でき、配置・休憩・休日への問題なしDさん・Eさんとも変更案に承諾確定可。管理者承認後に勤務表を更新・共有

「確定可」は、その案を採用してよいという判断です。勤務表へ反映し、対象者へ周知するまでは完了していません。確定可の行が出たら、勤務表を更新した日と、対象者へ伝えて確認が取れた日を別々に記録してください。この3つを分けておくと、判断だけ済んで反映が漏れている状態を見つけられます。

課題01の3行は比較する候補であり、すべてを同時に反映するものではありません。Cさんの18〜20時を採用した後にBさんへ相談を続けるなら、元の16〜20時案をそのまま確定せず、残る16〜18時の案へ修正して確認し直します。

自分の勤務案で使うときは、まず「何が問題か」と「変更案」を記入し、影響を確認してから本人への相談へ進めてください。「影響」欄には「問題なし」だけでなく、変更前後の人数や勤務時間を書くと、判断の根拠を後から確認できます。

「本人回答」欄には回答日時と条件も追記し、「確定可否」欄には判断者、保留理由、次の担当者・期限を残します。勤務表へ反映した日と周知した日まで記録すれば、確定できる状態なのか、すでに運用へ反映したのかも区別できます。

シフト調整の完了は、勤務表の空欄がなくなることではありません。自職場の必要人数・役割・個人条件を当てはめ、変更の影響と本人の回答を照合し、確定した内容と残る課題を説明できる状態にすることです。

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