保育園の延長保育で遅番シフトを回すときは、通常保育から切り替わる時刻を境に、残る子ども、必要な保育士、引き継ぐ情報、お迎え担当を同じ時間帯表へ置くと確認しやすくなります。園児数が減る予定だけを見て遅番を一人にすると、施設に適用される配置条件や引渡し時の見守りを満たせないことがあります。
ここでは、17時に延長保育へ移り19時に閉園する架空の民間保育所を例に、一日の遅番表を作ります。児童数と勤務枠は説明用で、実際の人数基準を導く数字ではありません。施設類型、認定区分、児童の年齢、実施場所、自治体の基準を先に確認し、自園の条件へ置き換えてください。
遅番の人数は「子どもが何人か」だけで決めない
延長保育の配置には、通常保育中とは別に確認すべき条件があります。こども家庭庁の延長保育事業の実施についてでは、児童の年齢に応じた職員配置と、施設類型などに応じた取扱いが示されています。民間保育所等の一般型については、実施場所に保育士を2名以上配置する原則があります。一方、開所時間内に短時間認定の子どもを預かる場合などには限定された取扱いもあるため、「延長保育は全国一律で必ず同じ2人」と単純化しないでください。
以下の例では、園が適用条件を確認した結果として、17時から19時まで実施場所に勤務中の保育士2人以上を置く設定にします。子どもが1人になっても、この例の必要人数を勝手に1人へ下げません。複数の部屋や支援の必要な子どもがいる場合には、その場所と状況に応じて園が条件を確認します。
シフトを組む前に、次の資料を手元へ置きましょう。
| 入力 | 確認する内容 |
|---|---|
| 延長保育の利用予定 | 児童の年齢、開始・終了予定、実施場所、お迎え予定 |
| 適用する配置条件 | 施設類型、認定区分、自治体基準、必要な資格・人数 |
| 職員の勤務表 | 保育士資格、勤務可否、前半勤務、休憩、終業時刻 |
| 引き継ぎ事項 | 当日の出欠、保護者への連絡、引渡しに必要な最小限の情報 |
児童の氏名、体調や家庭事情などの詳細を、全職員が見るシフト表へ書く必要はありません。必要な情報は園の管理方法に沿って、担当者だけが確認できる記録で引き継ぎます。
通常保育から延長保育へ切り替える順番
最初に、日中の担当者が退出する時刻ではなく、延長保育へ移る時刻と場所を確定します。次に、その時点で残る児童の年齢と人数、遅番の資格・勤務可能時間を照合します。最後に、引き継ぎが終わるまで日中担当者を何分重ねるかを決めます。
予定人数と実際に残る人数を分ける
以下は17時切替の架空例です。17時の利用予定は1歳児2人・4歳児4人の計6人、18時には1歳児1人・4歳児2人の計3人、18時30分には4歳児1人を見込みます。実際には、当日の出欠とお迎えの変更を随時反映します。
担当Aは日中の引き継ぎ役で17時30分まで、BとCは資格を確認した遅番保育士として19時まで勤務します。この表は16時以降だけを示します。3人のその日の前半勤務と休憩が適切かどうかは、元の一日勤務表で別に確認済みという設定です。
| 保育士 | この表に示す勤務枠 | 夕方の役割 | 別表で確認すること |
|---|---|---|---|
| A | 16:00~17:30 | 日中からの申し送り | 当日の前半勤務・休憩 |
| B | 16:00~19:00 | 延長保育の主担当 | 当日の前半勤務・休憩 |
| C | 16:00~19:00 | 見守りとお迎え対応 | 当日の前半勤務・休憩 |
17時より前にAがB・Cへ、誰が延長保育へ残るか、予定と違うお迎えがあるか、引渡し時に確認すべき連絡があるかを伝えます。B・Cは「受け取った」だけで終わらず、対象児童と役割を照合してから配置に入ります。保護者への連絡や個別の注意事項は、園が定める安全な記録・確認手順を使います。お迎え予定の時刻が来ただけでは児童数を減らさず、実際の引渡しを確認して人数を更新します。
17時から19時までの配置とお迎えを一表で確認する
遅番表は、子どもが減る時刻だけでなく、Aの退勤、引渡し、お迎えの集中、閉園でも行を分けます。勤務中の保育士を数え、子どもを見守る人と保護者へ引き渡す人が同時に必要な場面を確認します。
実施場所で勤務中の保育士だけを数える
| 時間帯 | 予定児童 | 勤務中の保育士 | 引き継ぎ・お迎えの担当 | 例示した2人条件 |
|---|---|---|---|---|
| 16:00~17:00 | 通常保育中 | A・B・C | AからB・Cへ申し送り | 通常保育側の条件も別に確認 |
| 17:00~17:30 | 6人 | A・B・C | Bが延長保育、Aが申し送りを完了 | 満たす |
| 17:30~18:00 | 6人から3人へ | B・C | Bが見守り、Cがお迎え対応 | 満たす |
| 18:00~18:30 | 3人から1人へ | B・C | 交代時は声かけと記録を確認 | 満たす |
| 18:30~19:00 | 1人 | B・C | 最後の引渡し後に人数を照合 | 満たす |
「17時30分からB・Cの2人」と書けても、Cが別室の片付けで長く離れるなら、延長保育の実施場所で2人が勤務しているとは扱えません。部屋の移動、トイレ対応、保護者との長い面談など、持ち場を離れる場面も想定して役割を割り振ります。引渡し時には、担当者が本人確認や園の引渡し手順に従い、BとCのどちらが見守りを継続するかを明確にします。
既存の勤務表へ移すなら、日付/時間帯/児童数と年齢の確認元/実施場所/必要人数・資格/勤務中保育士/見守り担当/引渡し担当/申し送り済み/不足・未確定/確認者を列にします。個人情報の本文をこの一覧へ複写せず、園の内部記録への参照だけを残します。
遅番が早退する日の不足を見えるまま残す
Cが18時に早退すると仮定します。18時から18時30分は児童3人、18時30分から19時は1人の予定でも、勤務中の保育士はBだけです。この園の確認済み条件である2人を満たせないため、18時以降は未確定です。子どもが減るから大丈夫、Bが電話で誰かを呼べるから大丈夫、とはしません。
代替候補Dを18時から19時へ置くなら、資格、勤務可否、前後の勤務・休憩、実施場所に到着できる時刻を確認し、本人の回答を得ます。たとえばDの到着が18時15分なら、18時~18時15分の不足は残ります。BとDが重なるまでの区間を再調整し、Dが未回答の間は確定済みの表として職員へ配布しません。未確定は、そのまま不足した体制で受け入れてよいという意味ではありません。不足が始まる前に園長が代替配置を確保します。
お迎えが閉園時刻を超える場合
お迎えが19時10分になる見込みなら、19時~19時10分の行を追加して未確定に戻します。19時を過ぎたからと子どもを残して退勤することはできません。保護者への連絡、園の対応方針、必要な職員の勤務変更を責任者が確認します。その際は、延長した時間の配置条件と実際の労働時間・休憩も再計算してください。
園長が確定前に読み返す五つの点
- 園の施設類型・認定区分・自治体の条件に合う必要人数と資格を入力したか。
- 延長保育に残る児童の年齢・人数・お迎え予定を当日の情報と照合したか。
- AからB・Cへの申し送りが、Aの退勤前に完了するか。
- 17時から最後の引渡しまで、見守りとお迎えの役割、勤務中の保育士数が各区間で成立するか。
- 欠勤・早退・お迎え遅延時に本人確認と再検算を行い、未確定を残したまま確定扱いしていないか。
複数日分の遅番を作る際は、日ごとの延長保育利用予定と職員の勤務可否を取り込み、前後の日の勤務・休憩も確認します。シフトラでは勤務希望や担当条件を整理してシフト案を作れますが、児童ごとの年齢別基準、園の自治体基準、引渡し記録を自動で法的に判定・管理すると約束するものではありません。園長がこの時間帯表で実施場所の配置と申し送りを確認してから確定してください。シフトラの機能・導入方法を公式サイトで見る