メインコンテンツへスキップ
約12分で読めます

飲食店の新人とベテランのシフトの組み方|教育と営業を両立する配置例

飲食店の新人教育とシフト。教える時間と営業の人数を分け、休憩・ピーク・代役を確認。

飲食店で新人とベテランのシフトを組むときは、出勤日をそろえるだけでは足りません。教える業務、指導者と重なる時間、教育中の営業を受け持つ別の人まで決めましょう。休憩や退勤で指導者が外れる時間には、引き継ぐ相手も必要です。

店長が勤務表を作る際は、「その時間に何人いるか」より「誰が何を担当できるか」を確認します。以下では、役割別の習熟度を整理する方法と、ホールの17〜20時を切り出した架空の配置例を使い、休憩・ピーク・欠勤時の不足を見つける手順を説明します。

新人とベテランは「同じ日」より「同じ業務・時間」で組む

「新人Dが出勤する日にベテランBを入れる」という決め方から、もう一段具体化します。Dが配膳を練習するなら、配膳を教えられる人を選び、何時から何時まで指導するかを書き込みます。

その間に、注文受付や会計などの営業を誰が受け持つかも決めてください。指導者の名前だけを書いて終えると、説明や確認が必要になった瞬間に、営業側の担当が空いてしまいます。

必要人数・シフト希望・休憩予定を先にそろえる

勤務表に名前を入れる前に、次の情報を用意しましょう。

  • 必要人数:時間帯ごとに、独力で営業対応する人が何名必要か。
  • 担当できる業務:配膳、注文受付、会計など、本人が対応できる範囲。
  • シフト希望:出勤できる日と時間、退勤時刻の制約。
  • 休憩予定:誰が何時に抜け、代わりに誰が担当するか。
  • 教育内容:今回練習する仕事と、指導に充てる時間。

必要人数は、まず自店の来客状況や過去の営業で必要だった対応量から確認します。夕方を一括で扱わず、入店が重なる時間など、人数を増やす必要がある区間を分けるのがポイントです。

希望どおりの出勤人数が集まっていても、担当業務が合わなければ配置は成立しません。人数と技能を別々にそろえてから、同じ時間軸に重ねます。

担当できる仕事と、教えられる仕事を分ける

新人・ベテランは経験年数のラベルとして使い、担当能力は業務別に確認しましょう。ホシザキのスタッフ教育の解説でも、一部の能力が高いことを理由に、他の能力まで高いと思い込む評価に注意を促しています。(ホシザキ)

長く在籍する調理担当者を、新人ホールスタッフの指導者として自動的に数えるのは避けます。調理を教えられることと、ホールの接客手順を教えられることは、分けて確認してください。

習熟度を業務ごとの4段階で確認する

店舗内の整理方法として、次の4段階を使えます。これは本記事で提案する管理上の区分であり、公的な認定基準ではありません。

習熟度配置するときの判断
未経験手本や説明から始める。単独対応の担当には置かない
見守りがあればできる指導者が実施内容を確認できる時間に配置する
単独でできる確認済みの業務範囲で、営業担当として配置する
人に教えられる手本を示し、新人の実施を見て、修正点を伝える担当にする

「ホールができる」だけでは広すぎます。たとえば架空の新人Dなら、「配膳は見守りがあればできる」「注文受付とレジ操作は未経験」のように分けます。配膳を練習できても、会計まで任せられるとは扱いません。

店長は本人と現場で対応範囲を確かめ、業務名・習熟度・任せられる条件・確認日・確認者を残します。「空いている時間ならできる」「取消処理は確認が必要」といった条件も記録し、古い評価のまま配置し続けないようにしましょう。

教える仕事を一つに絞り、任せる範囲を更新する

一つの指導時間には、練習する仕事を一つに絞ります。配膳なら、料理と席の確認から提供までを扱い、同じ時間に新しいレジ操作まで詰め込まない進め方です。

  1. 指導者が手本を見せ、確認する点を伝える。
  2. 新人が同じ作業を実施する。
  3. 指導者がその場で確認し、必要な部分を直す。
  4. 任せられる範囲と、次に確認する内容を更新する。

初日から任せる範囲を一律に決めず、本人の経験と理解、当日の混雑状況で判断してください。未習得のレジ取消などは独断で対応させず、その時間の指導担当であるBまたはCに確認する、と伝えます。

ピーク時は新しい説明を増やさず、すでに練習した範囲を実施する時間にします。見守りが追いつかないなら、教育内容や時間を変える判断が必要です。

教える人を営業人数に重ねて数えない

以下の配置例では、指導者を「独力で営業を受け持つ人」と同時には数えません。新人の動きを見たり、質問に答えたりする時間を、営業対応の余力として使い切らないためです。

新人Dも、この例では営業の必要人数に含めません。Dが配膳を手伝っていても、それを前提に独力営業担当を減らす計画にはしない、という条件です。

確認するのは、次の二つです。

  • 教育側:新人の実施を確認できる指導者がいるか。
  • 営業側:指導者と新人を除いて、必要な独力営業担当がいるか。

休憩、出勤、退勤、ピーク開始のたびに、この二つを確認します。

必須の指導は勤務時間に組み込む

2026-09-15時点で確認した厚生労働省のガイドラインでは、使用者の指揮命令下にある時間や、参加が業務上義務づけられた研修・教育訓練は労働時間として扱うとされています。必須の研修や業務指示による指導は勤務時間に組み込み、始業前や退勤打刻後に無給で実施する前提にしないでください。また、勤務予定と実績は分け、実際の始業・終業時刻を確認して記録します。記録は原則として、使用者の現認やタイムカードなどの客観的な記録を基礎に行うとされています。(都道府県労働局)

17〜20時の配置例で休憩とピークを確認する

ここからは、説明のための架空例です。対象はホールのみで、調理場は別に配置済みとします。

店が確認した独力営業担当の必要人数は、通常1名、18:30〜19:00のピークは2名と設定します。この人数は法定基準や業界標準ではありません。自店に当てはめる際は、必要人数と教育に要する時間を確認し直してください。

A〜Dの勤務条件を置く

スタッフ対象時間内の勤務予定担当できる役割この例での休憩予定
A17:00〜20:00独力でホール営業を担当対象時間内には設定なし
B17:00〜19:35ホール営業・新人への指導17:55〜18:25
C17:30〜20:00ホール営業・新人への指導19:00〜19:30
新人D17:00〜20:00指導者の見守りのもとで練習対象時間内には設定なし

BとCは、今回の教育内容を教えられることを店が確認した設定です。Aは営業担当に置き、Dは営業の必要人数に含めません。

これは17〜20時だけの抜粋であり、全日の法定休憩や総労働時間などを確認した完成シフトではありません。AとDの休憩の記載がないことも、全日の休憩が不要という意味ではない点に注意してください。

良い配置例:指導者を交代し、営業人数を保つ

出勤・休憩・退勤の境界に合わせ、配置を次のように分けます。Dは各時間帯で、表に記載した指導者のもとで練習します。

時間帯Dの指導者独力営業担当休憩・出退勤営業の必要人数/配置人数
17:00〜17:30BACは出勤前1名/1名
17:30〜17:50BA・CCが出勤1名/2名
17:50〜17:55BからCへ引き継ぎAB・Cで担当範囲を確認1名/1名
17:55〜18:25CABが休憩1名/1名
18:25〜18:30CからBへ引き継ぎABが休憩から復帰1名/1名
18:30〜19:00BA・Cピーク開始2名/2名
19:00〜19:30BACが休憩1名/1名
19:30〜19:35BからCへ引き継ぎACが復帰、Bは勤務中1名/1名
19:35〜20:00CABが退勤1名/1名

Bの休憩は17:55〜18:25、Cの休憩は19:00〜19:30です。指導を渡す前後に5分ずつを仮置きし、その間はAが営業を受け持ちます。BはCの復帰後に引き継げるよう、退勤を19:35とした計画です。5分は標準ではなく、教える内容や現場の所要時間に合わせて変更してください。

ピークの18:30〜19:00は、役割を次のように分離しています。

教育:Bが指導 → Dが練習 営業:A+C=2名 → 必要な2名を確保

19時にはCが休憩に入り、営業はA、指導はBのまま継続。19:30にCが復帰したら、19:35まで勤務中のBから指導を引き継ぎます。

引き継ぎ中は新人Dの新しい練習を止め、次の担当者が範囲を確認してから再開します。仮置きした5分で足りなければ、ピークの営業人数や休憩を崩さないよう、勤務時刻や担当を再調整します。

ホール配置の抜粋。指導担当を営業要員に二重計上せず、休憩・退勤の時間には代役を置きます。
ホール配置の抜粋。指導担当を営業要員に二重計上せず、休憩・退勤の時間には代役を置きます。

図を拡大して見る

悪い配置例:出勤していても役割は埋まらない

同じ勤務予定でも、役割の数え方を変えると不足します。

不足する配置どこが空くか修正する内容
17:55〜18:25もBを指導者として扱うBは休憩中なので、Dの指導者がいないCを指導担当にし、Aを営業に残す
18:30〜19:00にBを指導と営業の両方へ数え、Cを別業務に出す独力営業担当はAの1名だけとなり、必要2名に対して1名不足Cを営業に戻すか、別の独力営業担当を確保する

後者ではA・B・Dがホールにいても、営業担当は3名ではありません。Bは指導、Dは練習中なので、この例の条件ではAだけです。

修正後は出勤人数を数え直すだけでなく、指導者欄と営業担当欄に同じ人を重ねていないかを見ます。別業務へ人を動かすときも、移動元の必要人数から確認しましょう。

指導を1人に偏らせず、次の担当へつなぐ

1日分の配置が成立したら、週全体でも確認します。毎回同じベテランに頼むのではなく、指導時間と営業負担を見ながら担当を調整してください。

週の指導コマ・ピーク・連続担当を比べる

週の勤務表では、指導する時間を30分などの共通単位で数え、次の三つを比べます。

  • 指導を担当するコマ数と合計時間。
  • 忙しい時間帯の指導回数。
  • 連続して指導を担当する長さや日数。

たとえば架空の週間予定で、Bにピーク中の指導が集中し、Cは比較的落ち着いた時間だけなら、コマ数が同じでも配分は同じではありません。Cの技能とシフト希望を確認し、交代できる時間を探します。

ただし、交代先でCが営業を受け持っているなら、その役割を埋める人も必要です。指導だけを移して、営業側に新しい不足を作らないようにします。

引き継ぎは「教えた内容」と「次の確認」を残す

担当を変えても毎回最初から教え直さないよう、短い記録を共有します。次はDの配膳練習を想定した架空の記入例です。

記録する項目記入例
教えた内容料理と席を照合してから運ぶ手順
確認できた範囲指導者の見守りのもとで配膳を実施
次に確認すること複数の料理を運ぶときの確認手順
未習得の対応レジ操作・取消は行わず、BまたはCへ確認

引き継ぎは、次の順で進めます。

Bが記録を伝える → Cが担当範囲を確認する → Dへ交代を伝える → Cが指導を引き受ける

「BとDは相性がよい」といった印象だけで固定しないことも大切です。本人からの相談は聞きつつ、どの説明方法で理解が進んだか、どの作業で確認が必要だったかを残し、配置の理由を説明できる状態にします。

欠勤したら教育と営業の両方を組み直す

欠勤者の代わりを探すときは、出勤できるかに加えて、担当する業務を教えられるか、独力で営業対応できるかを確認します。

代役を入れた後も、同じ時間の営業担当と休憩予定を再確認してください。「ベテランが1人増えた」という情報だけでは、必要な役割が埋まったかは分かりません。

Cが欠勤した場合の修正手順

今回の例でCが欠勤すると、17:55〜18:25はBの休憩中に指導する人がいなくなります。さらに18:30〜19:00は、Bを指導に置くと営業がAだけになり、ピークに必要な2名を確保できません。19:35以降も、B退勤後の指導者が不在です。

修正は、次の順番で進めます。

  1. 影響する時間を洗い出す。休憩代役、ピークの営業担当、退勤後の指導者を確認する。
  2. 代役の技能と勤務可能時間を確認する。指導を任せるのか、営業を任せるのかを決める。
  3. 確保できなければ責任者へ相談する。応援、教育時刻、営業範囲の変更を検討する。
  4. 修正後の役割を再確認する。休憩を含めて、同時刻の指導と営業が成立するかを見る。

単にBの休憩をなくしたり、Dを急に独り立ちした扱いにしたりして、表の空欄を埋めないでください。教育を別の時間へ移す場合も、Dが何をし、誰に確認するかまで決め直します。

Cの欠勤で生じる不足の代表例。教育の代役と営業担当を、それぞれ確認します。
Cの欠勤で生じる不足の代表例。教育の代役と営業担当を、それぞれ確認します。

図を拡大して見る

配置条件を整理し、確定前に確認する

週全体のシフト管理で条件が増えた場合は、勤務案の生成を道具に任せ、役割の確認を店長が行う方法もあります。シフトラは、自然な日本語で入力した条件や希望をもとに、AIが勤務案を自動生成するサービスです。2026-09-15時点の公開情報では、生成結果を確認し、必要に応じて微調整する流れが案内されています。(シフトラ)

勤務案を作る際は、スタッフのシフト希望、店長が確認した担当スキル、時間帯別必要人数、休憩予定を整理します。たとえば「新人の指導ができるBかCとDの勤務を重ねたい」と、必要な条件を自然文でまとめます。生成した案を基に、店長が指導・営業・引き継ぎの時間割を別途作り、役割と休憩が重ならないか確認してください。本記事の5分刻みの引き継ぎ表を、そのまま自動生成する利用例ではありません。新人の技能判定や教育の実施も人が担い、勤務案の生成と教育計画の完成を分けて進めます。

確定前に確認する5項目

勤務表を共有する前に、次の5項目を確認しましょう。

  • 技能:教える業務について、指導者の対応範囲と確認日が残っているか。
  • 時間:新人が練習する時間に指導者がいて、休憩・退勤時の引き継ぎ先も決まっているか。
  • 営業人数:新人と指導中の人を二重計上せず、通常時とピーク時の必要人数を確保しているか。
  • 継続性:週の指導負担に偏りがなく、教えた内容と次の確認事項を引き継げるか。
  • 変更・全体条件:欠勤時の相談先と修正方針があり、全日の休憩・総労働時間・シフト希望などを管理者が確認したか。

新人とベテランのシフトは、名前を隣に並べるのではなく、教える仕事と営業を受け持つ人を時間ごとに決めて仕上げます。まずは自店の勤務表を休憩・ピーク・退勤の境界で区切り、「指導者」と「独力営業担当」の両方が埋まっているかを確かめてください。

AIでのシフト作成を検討している方へ

連勤・担当・希望休まで、毎月の作成条件に。

シフトラでは、個人の連勤上限、必要人数、スタッフの希望、自然な日本語のルールをまとめて設定できます。前の期間の確定シフトを参照して生成し、作成前の矛盾チェックから結果の履歴確認まで進められます。

  • 連勤上限・勤務日数・ルールの優先度を設定
  • 前月などの確定シフトを参照して作成
  • 作成前の矛盾と、作成時の条件・結果を確認

人員不足や相反する必須条件には調整が必要です。作成されたシフト案を確認してから確定します。

機能・料金・導入の流れを見る 資料を請求する
目次