AIシフトで新人を配置するときは、「新人はベテランと組む」を、誰と、どの時間帯に、何人まで組ませるかに書き換えます。基本は「新人が勤務する30分ごとに指導役が1人以上。休憩中は数えない」「同じ30分の新人は指導役の人数まで」です。締めに入れない時間と、研修中の勤務時間の上限も別に指定してください。
ただし、条件を書くだけで配置の確認が終わるわけではありません。AIシフト作成ツールや生成AIから出た案を30分ごとに数え直し、休憩中の指導役や、指導担当ではないベテランを除いて確かめます。以下の架空のファストフード店を使い、条件文、修正前後の勤務表、自店で記入する確認表を示します。
AIシフトで新人を配置するには、指導役と時間帯で組ませる
新人のシフトは、日単位で「ベテランと同じ日に出勤している」と確認するだけでは不十分です。指導役が休憩に入る時間、退勤して次の指導役が出勤するまでの時間も含めて、勤務が重なっている必要があります。
また、指導役がいることと、必要な人数がいることは別の条件です。新人が複数いても指導役が1人いればよいのか、新人ごとに指導役を置くのかを、生成前に決めましょう。この例の人員配置では、同じ時間帯の新人の人数を指導役の人数以下にします。
例のファストフード店と新人・指導役
営業時間は10:00〜22:00、締めは21:00〜22:00。11月に新人3人が入り、研修期間を4週間とした店を想定します。勤務表はその期間中のある1日の架空例で、特定の製品の実測結果ではありません。
スタッフの氏名の代わりに、次の識別名を使います。自店では登録済みの名前と対応させ、条件文と勤務表で表記をそろえてください。
| 区分 | 識別名 | 配置上の扱い |
|---|---|---|
| 指導役(トレーナー) | T1・T2・T3 | 新人への指導を担当する人 |
| ベテラン(指導役ではない) | V1・V2 | 勤務経験はあるが、指導役の人数には含めない人 |
| 新人(研修中) | N1・N2・N3 | 研修用の配置条件を適用する人 |
「勤務年数が長いから指導役に数える」とは決めず、新人の作業を教える役割かどうかで分けます。担当作業によって教えられる相手が異なる店では、作業ごとに指導できる人も整理する必要があります。教育と営業を両立する組み方そのものは、飲食店の新人とベテランのシフトの組み方で扱っています。
「新人はベテランと組む」では、指導役のいない時間が残る
まず、「新人はベテランと組む」という指示で、次の案が出たと仮定します。「勤務」は始業から終業までの枠で、休憩はその内数です。
| 名前 | 区分 | 初案の勤務 | 休憩 |
|---|---|---|---|
| T1 | 指導役 | 10:00〜17:00 | 12:00〜13:00 |
| T2 | 指導役 | 13:00〜22:00 | 15:00〜16:00 |
| T3 | 指導役 | 18:00〜22:00 | なし |
| V1 | ベテラン | 10:00〜16:00 | なし |
| V2 | ベテラン | 16:00〜22:00 | なし |
| N1 | 新人 | 10:00〜15:00 | なし |
| N2 | 新人 | 14:00〜19:00 | なし |
| N3 | 新人 | 17:00〜22:00 | なし |
この案では、新人と経験者の勤務は重なっています。それでも、指導体制と担当できる作業に着目すると、次の問題が残ります。
12:00〜13:00は、指導役が不在です。 N1とV1は勤務していますが、T1は休憩中で、T2はまだ出勤していません。新人だけで店にいるわけではなくても、指導を担当する人がいない時間です。
17:00〜18:00は、新人2人に指導役1人です。 N2・N3が勤務する一方、T1は退勤し、T3の出勤は18:00。指導役はT2だけです。V2を加えても、指導役の人数は増えません。
21:00〜22:00は、新人が締めに残っています。 T2・T3がいても、N3に締めを任せないという店の方針は満たせていません。新人の勤務はいずれも5時間ですが、時間の上限だけでは締めへの配置を防止できないことが分かります。
直すべきなのは「もっと配慮して」といった曖昧な指示ではなく、指導役の定義、同時に受け持つ人数、担当させない時間帯です。
新人の配置の条件文の書き方
条件文は、対象者と適用期間を先に置き、判定できるルールに分けます。次は上の店で使う記入例です。自然文を入力できるツールでは条件として渡し、設定項目で指定するツールでは、それぞれ対応する項目へ登録してください。
対象は11月に入った新人N1・N2・N3の研修4週間です。指導役はT1・T2・T3です。V1・V2はベテランですが、指導役には数えません。
・新人が勤務する30分ごとに、指導役を1人以上配置してください。休憩中の指導役は数えません。
・同じ30分の新人の人数は、その時間に勤務している指導役の人数までにしてください。
・N1・N2・N3は、21:00〜22:00の締めに入れないでください。この例では新人の勤務を21:00までに終了させます。
・研修中の新人の勤務は、休憩を除いて1日5時間までにしてください。店舗で行う研修も、この時間内に割り当てます。
各人の勤務可能時間と休憩を使って案を作り、勤務表とは別に、30分ごとの指導役と新人の名前・人数を示してください。条件を満たせない場合は、条件を緩めず、該当する時間帯と不足する人数を示してください。
「同じ日に出勤」「勤務時間が一部重なる」「新人が働く全時間で重なる」は、同じ意味ではありません。休憩を含む勤務枠全体だけで照合されないよう、「新人が勤務する30分ごと」と書くのがポイントです。
締め禁止も独立した条件にします。「指導役と一緒なら締めに入ってよい」と解釈される余地を残さないためです。ここで定めた人数の比率、締め禁止、1日5時間という上限は、この架空の店のルールです。飲食店の新人全員に共通する法的な配置基準ではありません。
条件を満たせないときに、AIへ「できるだけ守って」とだけ追加するのは避けましょう。まず、どの時間帯に誰が不足したかを出し、店長が勤務可能時間や研修を行う時間を調整します。出力が表になっていることと、条件が成立していることは別に確かめます。条件文の書き方全般は、AIでシフトを自動作成するには?条件の伝え方と確認項目で扱っています。
法定休憩と18歳未満の深夜業を分けて確認する
2026-10-12時点の労働基準法第34条では、労働時間が6時間を超え8時間以下なら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上の休憩を、労働時間の途中に与える必要があります。また、休憩時間は自由に利用させることが定められています。(e-Gov法令検索)
そのため、指導役の休憩を残したまま「新人の質問があれば対応する人」として人数に入れる運用にはしません。休憩を移す場合も、休憩の長さと、勤務の途中に取れるかを確認し、指導役1人に負担が偏らないようにしてください。
18歳未満の新人がいる場合は、研修の配置条件とは別に年齢による制限を確認します。2026-10-12時点の同法第61条では、18歳未満の22:00〜翌5:00の深夜業は原則禁止です。(e-Gov法令検索)
この店では18歳未満を22時以降に入れず、片付けなどで勤務が延びないよう終了を管理します。「新人は21時まで」は店の研修ルールであり、「18歳未満の深夜業の制限」とは適用対象も時間も異なります。
30分ごとに指導役と新人を数える
勤務表から、各30分枠で働いている指導役と新人を拾います。判定するのは枠の全体です。休憩にかかる人はその時間から外し、V1・V2は指導役の欄へ入れません。
時刻の境界にも注意してください。17:00に終わるT1は17:00〜17:30には数えず、17:00に始まる人はその枠に数えます。今回の例は始業・終業・休憩が30分の区切りにそろっています。自店で途中に交代や休憩がある場合は、その時刻でも区切って、短い不在時間を見落とさないようにします。資格者を全時間帯に置くときの同じ数え方は、AIシフトで資格者を配置するで扱っています。
次の表は、勤務・休憩から数え直した結果です。「修正後」は次節の変更を反映した人数で、「—」はこの枠で人数・締めの条件違反がないことを表します。
| 時間帯 | 初案の指導役 | 初案の新人 | 初案の問題 | 修正後の指導役 | 修正後の新人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10:00〜10:30 | 1 | 1 | — | 1 | 1 |
| 10:30〜11:00 | 1 | 1 | — | 1 | 1 |
| 11:00〜11:30 | 1 | 1 | — | 1 | 1 |
| 11:30〜12:00 | 1 | 1 | — | 1 | 1 |
| 12:00〜12:30 | 0 | 1 | 指導役不在 | 1 | 1 |
| 12:30〜13:00 | 0 | 1 | 指導役不在 | 1 | 1 |
| 13:00〜13:30 | 2 | 1 | — | 1 | 1 |
| 13:30〜14:00 | 2 | 1 | — | 1 | 1 |
| 14:00〜14:30 | 2 | 2 | — | 2 | 2 |
| 14:30〜15:00 | 2 | 2 | — | 2 | 2 |
| 15:00〜15:30 | 1 | 1 | — | 1 | 1 |
| 15:30〜16:00 | 1 | 1 | — | 1 | 1 |
| 16:00〜16:30 | 2 | 1 | — | 2 | 1 |
| 16:30〜17:00 | 2 | 1 | — | 2 | 1 |
| 17:00〜17:30 | 1 | 2 | 人数超過 | 2 | 2 |
| 17:30〜18:00 | 1 | 2 | 人数超過 | 2 | 2 |
| 18:00〜18:30 | 2 | 2 | — | 2 | 2 |
| 18:30〜19:00 | 2 | 2 | — | 2 | 2 |
| 19:00〜19:30 | 2 | 1 | — | 2 | 1 |
| 19:30〜20:00 | 2 | 1 | — | 2 | 1 |
| 20:00〜20:30 | 2 | 1 | — | 2 | 1 |
| 20:30〜21:00 | 2 | 1 | — | 2 | 1 |
| 21:00〜21:30 | 2 | 1 | 締めに新人 | 2 | 0 |
| 21:30〜22:00 | 2 | 1 | 締めに新人 | 2 | 0 |
確認は「新人がいるのに指導役が0人か」「指導役がいる場合、新人の人数が上回っていないか」「締めに新人が残っていないか」の順で進めます。指導役0人の枠は、人数の比率も満たしませんが、表ではまず「指導役不在」として示しました。
生成AIが作った確認表を活用する場合も、元の勤務表と照合してください。たとえば12:00の行ではT1の休憩、17:00の行ではT1の退勤とT3の出勤を見れば、人数の根拠を追えます。人数だけの表で判断しづらければ、その横に対象者の名前を残します。
休憩と勤務時間を直した案を確かめる
この初案は、次の変更で研修用の条件を満たせます。ただし、実際に変更するときは、T3が17:00から勤務できるかなど、本人の勤務可能時間と照合する必要があります。
- T1の休憩を12:00〜13:00から13:00〜14:00へ移す。
- T3の勤務開始を18:00から17:00へ早める。
- N3の勤務終了を22:00から21:00へ早める。
変更後の勤務表は次のとおりです。実働は「終業時刻−始業時刻−休憩時間」で計算しています。
| 名前 | 修正後の勤務 | 休憩 | 実働 |
|---|---|---|---|
| T1 | 10:00〜17:00 | 13:00〜14:00 | 6時間 |
| T2 | 13:00〜22:00 | 15:00〜16:00 | 8時間 |
| T3 | 17:00〜22:00 | なし | 5時間 |
| V1 | 10:00〜16:00 | なし | 6時間 |
| V2 | 16:00〜22:00 | なし | 6時間 |
| N1 | 10:00〜15:00 | なし | 5時間 |
| N2 | 14:00〜19:00 | なし | 5時間 |
| N3 | 17:00〜21:00 | なし | 4時間 |
12時台はT1がN1と勤務し、T1が休憩する13時台はT2が勤務しています。休憩を移した先にも指導役がいるため、不在時間を別の場所へ移すだけの修正にはなっていません。
17時台はT2・T3に対してN2・N3となり、人数は同じです。21時台に新人はおらず、N1・N2は5時間、N3は4時間で、1日の上限も満たします。前節の表のとおり、修正後はすべての30分枠で、この例の人数と締めの条件に違反がありません。
法定休憩の長さも確認します。T2は勤務枠9時間から休憩1時間を引いて実働8時間で、必要な45分以上を確保しています。T1は実働6時間で休憩1時間、ほかの人は実働6時間以下です。この表は第34条の休憩時間の長さを満たしていますが、店舗の休憩規定や当日の取得状況も確認してください。(e-Gov法令検索)
ここで確認できたのは、新人の同時配置、締め禁止、勤務時間、休憩の長さです。店舗全体の必要人数や担当業務が足りるかは別に見ます。また、人数が足りていても指導担当が曖昧にならないよう、営業前に現場で誰がどの新人をみるかを伝えておきましょう。
研修の進み方に合わせて条件を外す
研修用の条件は、適用を始めるときに、見直す時期と判断する人も決めます。この店では4週間を目安にしますが、期間が過ぎただけで全員の条件を一括解除しません。新人ごとに、任せる作業を指導役が確認し、店長が変更を判断する運用例です。
| 段階 | 維持する条件 | 確認して決めること |
|---|---|---|
| 第1〜2週 | 指導役の同時配置、人数上限、締め禁止、1日5時間までを維持 | 誰がどの新人をみるかを決め、勤務中に指導役が外れる時間がないか確認する |
| 第3〜4週 | 研修中の条件は維持 | ひとりで任せられる作業と、まだ指導が必要な作業を分け、研修後に外す条件を新人ごとに決める |
| 研修後 | 未習得の作業に必要な条件は残す | 勤務時間上限、同時配置・人数上限、締め禁止の順で見直す。解除の条件を満たしたものから変更する |
この順序なら、まず研修用の5時間上限を本人の勤務可能時間などに合わせて見直し、次に習得済みの作業について同時配置や人数上限を外し、締めは担当できると確認した後に解禁します。勤務時間を延ばす際は、休憩も組み直してください。
一部の作業だけ自立した場合は、必要な指導まで外さないよう、その作業と適用期間を条件文に残します。変更した日、対象者、外した条件を記録して指導役と共有し、次の生成にも使う条件を更新しましょう。
研修を終えた人が、そのまま指導役になるわけではありません。新人の区分を外す判断と、ほかの新人を教える担当にする判断は分けます。18歳未満の深夜業の制限も、研修終了を理由には外せません。
自店の新人の条件を整理する
自店へ置き換えるときは、先に新人の勤務できる時間を集め、指導役と任せない作業を決めます。次の空欄へ記入すると、条件文の対象と、生成後に確認する項目をそろえられます。
| 準備する情報 | 自店の記入欄 |
|---|---|
| 新人の名前・研修期間 | ____ |
| 指導役の名前・教えられる作業 | ____ |
| 指導役ではないベテランの名前 | ____ |
| 各人の勤務可能時間・シフト希望 | ____ |
| 各人の始業・終業・休憩の開始と終了 | ____ |
| 新人に任せない作業・対象時間帯 | ____ |
| 同時に配置する人数の条件・1日の上限時間 | ____ |
| 18歳未満の新人の有無・対象者 | ____ |
| 条件を見直す時期・判断する人 | ____ |
生成後は、対象日ごとに次の行を必要な時間帯まで増やし、勤務表を見ながら埋めます。指導役の欄には、休憩中の人を含めません。
| 日付・時間帯 | 勤務中の指導役の名前・人数 | 勤務中の新人の名前・人数 | 不在・人数超過・禁止作業の有無 | 修正内容・再確認 |
|---|---|---|---|---|
| ____ | ____ | ____ | ____ | ____ |
| ____ | ____ | ____ | ____ | ____ |
新人ごとの1日の勤務時間は、時間帯別の表とは別に合計し、上限と照合します。空欄のままの項目がある場合は、AIに推測させず、勤務可能時間や担当を確認してから条件を確定してください。
指導役が足りないと分かったら、新人同士で組ませる前に、指導役の休憩を移せるか、出勤を調整できるか、新人の勤務時間を変更できるかを検討します。変更ができなければ、不足する時間を残したまま確定せず、研修を行う日や時間から組み直します。指導役の急な欠勤で当日の組み合わせが崩れたときも、同じ表で30分ごとに数え直します。
ツールへの条件入力と、生成後の確認をつなげる
シフト管理では、条件の入力先と出力後の確認方法をセットで決めておきます。人数の自動集計や不足の表示があっても、新人と指導役の組み合わせまで自動割当されるとは限りません。利用中のシステムで、どの機能が設定・生成・確認の対象かを確かめてください。
シフトラでは、担当・スキルを定義して担当できる従業員を紐づけ、自然な日本語のルールに「絶対」「優先」「できれば」の優先度を付けてシフト案を作成できます。時間単位で作る店舗は、10分・15分・30分・60分から刻みを選べます(2026-09-05時点の製品情報)。(シフトラ) 指導役を担当として登録し、上の条件文をルールに書く使い方です。ただし、新人と指導役の組み合わせが常に守られると決めつけず、生成された勤務と休憩から同じ確認表を作り、結果を確かめてから確定します。
研修内容そのものの設計、時給・研修手当の決定、業種ごとの配置基準は、この確認表の対象外です。自店で指導役と任せる作業を決め、勤務できる時間を集め、研修の進み具合に合わせて条件を更新する作業は残ります。
まずは次のシフト案で、新人がいる30分ごとの指導役と新人の人数を記入してください。休憩と交代の境目まで漏れなく確認し、直した時間帯とその前後を再確認してから、新人と指導役へ担当を伝えましょう。